囚人のジレンマ

■ 問題 ■
ある強盗事件の犯人A,Bが、警察に窃盗の罪で別件逮捕された。
A/Bともに強盗に関しては決定的な証拠がないので、二人の被疑者は互いに意思疎通ができないよう
それぞれ独房に隔離された上で、捜査官から以下のように告げられた。
「1.もしオマエがこのまま黙秘を続け、アイツも黙秘を続けたなら、二人とも窃盗の罪で懲役2年になる。
2.もしオマエが強盗について自白して、アイツが黙秘を続けたなら、司法取引でオマエだけ窃盗の罪で懲役1年にしてやろう。ただし、アイツは強盗の罪で懲役15年になる。
3.もし、オマエもアイツも自白した場合、2人とも強盗の罪で懲役10年だ。
4.アイツにも全く同じ条件を伝えてある。
よく考えろよ!」

捜査官から二人の犯人につきつけられた条件を表にまとめると、下のようになる。





囚人B 黙秘(協調)囚人B 自白(裏切り)
囚人A 黙秘(協調)懲役:A2年, B2年)懲役:A15年, B1年
囚人A 自白(裏切り)懲役:A1年,B 15年懲役:A10年, B10年

このとき、A,Bの2人にとって、それぞれどちらを選択するのがよい戦略だろうか?


■結論■
A,Bとも条件は同じなので、Aについて考えてみると、
Aが黙秘(Bと協調)した場合、懲役は最低でも2年(Bも黙秘=協調を選んだ場合)、下手をすると15年(Bが自白=裏切りを選んだ場合)。
Aが自白(Bへの裏切り)した場合、懲役は最低1年(Bが黙秘=協調を選んだ場合)、最高でも10年(Bが自白=裏切りを選んだ場合)。
⇒最低値・最高値とも、Bと協調する場合に比べてBを裏切る場合の方が、懲役が短くて済みます。

つまり、Aが自分のとるべき行動についてしっかり考えれば考えるほど、取るべき行動は自白(=裏切り)になります。


ここで、もう一方のBも条件は同じですから、やはり考えれば考えるほど、自白(=裏切り)を選ぶことになるでしょう。

結果として、A/Bともに裏切り(表の右下)、2人とも懲役10年の刑をくらうことになります。

しかし、もし、仮にA/Bがともに自分にとっては不利なはずの協調を選んでいれば(表の左上)、2人は懲役2年で済むはずでした。

A/Bそれぞれが、自分にとって一番良い結果をめざして選択した行動(裏切り)の結果が、一番悪い結果につながりそうに見える行動(協調)を選ぶよりも悪い結果になってしまう。これを「囚人のジレンマ」と言う。


「囚人のジレンマ」の例)
社会福祉、環境問題、各種外交問題など…

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